嫌いの反対
「残念、僕1人じゃないんだ」
「は?」
その男の後ろから出てきたもう1人の人物。
目を合わせるのすら久しぶりで2度、目を見開く。
「はは、面白えなぁ」
「私みたいな『裏切り者』には会う価値も無いんじゃないの?」
「うるせえよ」
「もうなにも言えなくなっちゃうなんて落ちぶれたものね。…後宇多……と、成海?お久しぶり」
ニコッと笑うと後宇多と成海が顔を歪めた。
「祐亮が来るもんだと思ってた。予想は外れるものだね」
「チッ、聞きてえことが山積みなんだよついてこい」
成海がそう言うと後宇多とともに歩き出した。
私はそれに従ってついて行く。