嫌いの反対
「まっ、いいけどね〜」
そう軽々しく零は言い放つ。
私はギョッとして零の方を見るけどそんなの御構い無しで。
「まあ、お姫様が逃げ出さなければの話だけど」
「隆琦、それは…」
「おいあんまりすばしっこい行動してんじゃねえぞ」
「…波瑠多はシメる」
「なんで!?」
「最近調子乗ってるから」
「どこが!?」
私はふふっと笑うと零を見る
「ねえ、どっちが本当の波瑠多なの?」
「さあね」
そんな軽い会話をして倉庫に戻りながら。