嫌いの反対
「痛い」
「よそ見ばっかしてんじゃねえ」
「え!?どこが!?」
「ちょんってなんだちょんって」
「波瑠多もやって欲しいの?」
「やれるもんならやっ
「だぁああああああああああ!!!!!!!!!!イチャイチャすんな!!!!!」
…イチャイチャ、してないんだけど。
私はそんな目を零に向けると軽く肩をビクつかせた。
まあいいや、なんか今日の波瑠多ご機嫌だったし。久しぶりに言い合い出来たし。
変な思考回路だけどちょっと嬉しくて顔が綻んでしまう。
「…ここまでしてなんで気づかないわけ?」
「ん?なんか言った?」
「このバカっつったんだよ」
「隆琦〜、このバカ波瑠多シメていいよ」
「なんでもないです」
私がハハッと笑う。
「さて、会議といきますか」
勇太の一言で空気が変わったのが分かった。