嫌いの反対





「なにこれ」





目の前には黄竜の幹部がずらっと並び
後宇多がひざまづいて私に手を伸ばす。



…どう見ても普通じゃない。




わたしが眉を顰めると次から次へと文句が飛ぶ。




「何って、来週決戦するって言ったろうが」

「総長さんをはじめ、星龍の方々は何してんの?」

「捨てたのか?」





…????







「あーーーーーー!?!?!?」






『来週決戦』





波瑠多からそう聞いてだいぶ時間が経っていたことを思い出す。




最近は勇太の問題といい、波瑠多の態度といい悩むことが多すぎて分からなかったけど。







「え、波瑠多なら…」





寝坊だけど、と続けようとすると後ろからジリ、と足音が聞こえる。







「なんだ、黄竜の方達よ」

「寝坊したのは僕だよ〜」

「守が寝坊なんて珍しいよねほんと」

「もっと慎重に動いてもらわないと今日が決戦なんてすぐ分かっちゃうからね」






…なんでこの人たちは出てくると同時にペラペラこんなにも話せるのだろう。





「あーもううるさいよおはよう」






それでこんなにイケメンなんだからもう意味がわからない。


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