嫌いの反対
「勇太、お前は何しに来てんだ?」
「っ」
「自分と向き合えないなら周りと向き合ってみろって波瑠多に言われたよね」
「う、ん」
「茉菜さんと何話したか聞かねえけどここで祐亮と向き合う気がないなら帰れ」
私のその言葉にみんなが更に目を見開く。
「は?」
「さっきといったことが矛盾してるって?誰が昔のことで向き合えっつったよ。私の決戦でそれについて向き合えっつったんだよ。すぐに昔のこと思い出して感情的になるなら帰れ」
私は目線をまっすぐ勇太に向けるとそう口にする。
「はあ、咲良ちゃん」
「ん?」
「………僕は」
勇太の目の色が変わった気がした。
「僕の任務は姫を救うことだ、今更逃げ出すことなんてできねえ」
後半私につられてか分からないけど顔に似合わないような口の悪さに私は少し笑う。
「よろしく頼んだよ幹部さん」
私は少し涙目になりながら背中を押す。
「ここじゃ場所があれだ。校門前で待ってる。」
了雅はそういうと私たちから姿を消した。