嫌いの反対
「最初で止めてくれてありがとう、僕あれ以上行ったら止められなかったからさ」
勇太は少し笑うと私の横をすり抜けた
「しかし、最近は咲良、口悪くなること多くなってきたよなあ」
「あ?説教されたいの?」
「べっつにー!!!」
私が勇太にできる事はなんだろうって思ってた。話を聞いてあげて優しい言葉をかけてあげる事なのかなって思ってた。
けど波瑠多の言葉を聞いて確信した。
それだけが優しさじゃない。
道を作ってあげたとかではないけど、…いや、どちらかというと逃げ道を作ったんだけど。
それでもゆっくり考えていけばいいと思った。
「お前にしては上出来だ」
波瑠多はポンと私の頭に手を置く。
「決戦が終わったらあいつは多分祐亮に話をしに行くと思うぞ」
波瑠多はニヤリと笑うと彼らと共に下駄箱へ向かっていく。
私もその後ろについていった。