嫌いの反対
「あーあ。誰も犠牲にしたくはなかったのに」
そういう友梨の目は無色に変わり、なにもかも諦めたように私に銃口を向ける。
「組の娘ならなんで黄竜に近づく必要があったの?」
「うるさい!!!!」
「ただ単に、この人たちにいいように思われたかった、あなたのここの生徒としての考えじゃなかったのかよ」
私がそう言って黄竜を見渡すと固まったように私たちを見ている。
…何してんだ、君たち。
「なんかよく分からないけどさ、やめたほうがいいんじゃないの?」
「なんで星龍に入ったの」
「え、そりゃ波瑠多がもう一度って言ったから。この人たちに裏切られたのにこの人は信じてくれたから。なんか、一緒にいた時間が長い人じゃなくても分かってくれる人っているんだなって思ったから」
「そう」
友梨はそういうと黄竜を見渡す。