嫌いの反対




…みんなの前で暴露されて、祐亮は怒り狂うのではないか。



そう思っていたのに祐亮は立ち上がって頭を下げる。




「本当に申し訳ない!!!!あの時は子供だった。なにも考えられない子供だった…!!!!親にも全部白状した。…茉菜にも全て話した。これから出来ることはお前と…自分と向き合うことだと思ってる。本当に、本当に申し訳ない」




「もういいよ」



「勇太…!!!!」






冷たい吐き捨てる声に私は声を荒げた。


すると大丈夫とでも言うように勇太は私に向けてにこりと笑う。






「…今更、戻れないからさ」







「え?」

「しかも分かるんだよ、星龍に入って。大切に想う人がそばに居るってこと。形は違えけどな」

「…っ」

「もういいよ兄さん。…だからさ」












勇太はカツカツと私の元へと歩いてくる。




そのまま祐亮の方を見つめながら






「ちゃんと、忘れないで生きてよ。茉菜に…同じことすんじゃねえぞ」







と優しく笑った。






< 241 / 252 >

この作品をシェア

pagetop