嫌いの反対
…みんなの前で暴露されて、祐亮は怒り狂うのではないか。
そう思っていたのに祐亮は立ち上がって頭を下げる。
「本当に申し訳ない!!!!あの時は子供だった。なにも考えられない子供だった…!!!!親にも全部白状した。…茉菜にも全て話した。これから出来ることはお前と…自分と向き合うことだと思ってる。本当に、本当に申し訳ない」
「もういいよ」
「勇太…!!!!」
冷たい吐き捨てる声に私は声を荒げた。
すると大丈夫とでも言うように勇太は私に向けてにこりと笑う。
「…今更、戻れないからさ」
「え?」
「しかも分かるんだよ、星龍に入って。大切に想う人がそばに居るってこと。形は違えけどな」
「…っ」
「もういいよ兄さん。…だからさ」
勇太はカツカツと私の元へと歩いてくる。
そのまま祐亮の方を見つめながら
「ちゃんと、忘れないで生きてよ。茉菜に…同じことすんじゃねえぞ」
と優しく笑った。