嫌いの反対
「おいお前っ」
後ろから波留多がひょこっと顔を出した。
「え、何」
「何じゃねえよ倉庫行くぞ」
「えなんで」
「姫になるんじゃねえのかよ?」
いやそれあんたが決めたことでしょ。
帰るのもダルいしいいかな、なんて。
少し思ってたりもするけど。
「ああ、うんそっか」
適当に返事をして靴を履き替える。
隣には波留多がいて。
「てかさっきから思ってるんだけど、あんただんだんキャラ崩れてきてるよ」
「へ!?」
「何キャラ目指してるわけ?」
「RUMAみたいな」
るま…?誰、それ。
「誰」
「知らねえのかよ!芸能人の、あの俳優」
「ああ、あのクールキャラか」
「知ってんじゃねえかよ!」