嫌いの反対
「よぉ」
さっきの笑いとは想像もつかないほど落ち着いた声で言い放つ。
「あれ、黄竜の姫ちゃんじゃない?」
中のうちの1人…ワインレッドの髪の色をした子が私に話しかける。
「正確には元姫な、説明するから席に着け」
波留多の一言で皆席に着く。
…え、こいつこんなに偉い人なの?総長とか言ったりしないよね?
「その前に咲良」
「ふぁ?」
「自己紹介しろ」
心地いい低い声に促されると私は自然と口を開いた。