嫌いの反対
なに、これ。
もうセレブだよ、海外行けるよ。レッドカーペットだよ。
訳の分からないことを妄想してる私に波留多の拳が飛んでくる。
「いでッ」
「ボーっとしてんな」
「はいはい、すいませんね」
「まあいい、お前、今日学校行くのか?」
単刀直入に言われて私は少し黙る。
「行きたくない、かな」
ボソリと呟いた声は静かな空気にかき消されて。
「でも、行かないと、負けちゃう」
と私の強がりに圧で潰された。