星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」

 その一言にはっとする。

 こんな時間の、それも英語準備室なんて誰も気に留めることもない。大好きな先生だけど、でも男の人とふたりきりでこんな状況、危う過ぎる。

 先生のこと大好きだけど、信じてるけど、私『可愛い』なんて侮って先生に火を付けて、あまりにも無防備過ぎる…

 胸の中を渦巻く不安と羞恥。


「…せん、せ」

「今更そんな可愛い声出してもダメ。ていうか余計状況まずくなんの分かんない?」


 先生の髪と吐息が私の頬に触れる。

 熱を持つ頬。

 破裂しそうな心拍。

 手にしていた先生のメアドが書かれたメモがはらりと落ちた。


でも…


 先生にならいいかな、なんて心のどこかで少し思っている冷静な自分もいて。
 それがまた恥ずかしくて…


 ぐしゃぐしゃと交錯する思いに何も出来なくて、私はきゅっと眼を閉じる。

 ただそれしか出来なかっただけ…
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