星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
12月~「先生私のこと、好きですか…?」
土曜日、私は塾に数学クラスの申し込みに行き、直ぐ翌週から早速授業が始まることになった。
これから週に一度、塾のある日は先生に逢いに行けなくなる。
それが一番の不満。
でも今は我慢しかない。今はただ受験を成功させることを最優先にする。
自分のためにも、そして応援してくれる先生のためにも─
放課後、私は学校を出る前、普段より早い時間に一応英語準備室を覗く。
けれど案の定他の先生がいて、先生とは話せなかった。
「先生、バイバイ」
と手を振ると、
「またな」
と、デスクからちらっと顔をあげて返してくれたのが今日唯一の会話。
(もっと一緒にいたいのに…)
仕方なく学校を後にし、塾へと向かう。