星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
12月~ファーストキス
「よし!出来た!」
「完成だね!」
翌日の金曜日。早朝の教室。
揺花と私は卒業アルバムのクラスページのコラージュを任されていて、それの提出が今日の放課後のアルバム委員会が締切なのを今まさに間に合わせたところ。
「でもごめんね、舞奈。今日私用事があるから提出任せちゃうけど…」
「大丈夫だよ。今日の委員会だけ出ればあとは委員の人がやってくれるもん。問題ないよ」
「ありがとう」
出来上がったばかりのコラージュを見る。
クラスのみんなの写真が可愛く飾られて、我ながら素晴らしい出来だ。
放課後、揺花とエントランスで別れ、委員会のある選択教室へ向かう。
選択教室と特別教室ばかりがあるその棟は日中こそ活気があるが、放課後ともなるとあまり人気もなくひっそりしていた。
私は廊下の柱型の陰でこっそりスマホを操作し、メッセージアプリから清瀬くんにメッセージを送る。
『今からアルバム委員会だよ。
でもほんと先帰ってていいからねっ!』
昨日清瀬くんに
「明日は放課後委員会があるから一緒に帰れないよ?」
と言ったのに、
「とりあえず待ってるから連絡して?」
と言われていたからだ。
ほとんど間もなく清瀬くんからレスが来る。
『り。地元の駅にいるから終わったらまたラインおくちょ』
(帰っていいって言ったのに)
私は苦笑してスマホをしまう。
選択教室に入ると直ぐに委員会が始まった。
出来上がったページを提出してチェックを受け、それから今後のスケジュール確認や注意事項を聞く。
そして委員会は程なく終了した。