星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
 以来にっしゃんとは好むか好まざるかは別としてなんとなく親しくしている。


 腰掛け故に不真面目教師で、男のくせにいい歳して恋バナ好きで、何かと

「南条とはその後どう?」

なんて楽しそうに聞いてきたりして毎度うんざりさせられるけど…



(日曜…気が重いな…)


 にっしゃんなんかのことより今俺が逢いたいのは南条なのに。


(でも南条はもう…)


 もうその瞳に俺が映ることはないかもしれない。

 君の瞳に映るのは─


 どうして君に逢う度に切ないんだろう。

 どうしてこんなに切ないほど君を好きなのに、想いを伝えずにいられると思ったんだろう。

 どうしてこんなに狂おしいほど君を好きなのに、君が想うのは俺じゃないんだろう─

       *   *   *
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