星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
3月~バイリンガル美少年
春の陽光が眩しい、春休み半ばのある朝。
(急がなきゃ…)
私は自然のまま伸ばしただけの濃色の長い髪をなびかせて駅のホームを疾走し、階段を駆け上がった。
今日は春期講習に通っている塾の模試。
それに遅刻しそうなのだ。
理由は朝から母と進路のことで喧嘩になったから。
塾は電車で二駅のところにある。
その駅はこの辺りでは比較的大きなターミナル駅で、春休みということもあり朝から混雑していた。
人波をぬいながらコンコースを急ぐ。
そんな状況にもかかわらず…
私の正面に現れたのは大きなキャリーバッグの外国人観光客二人組。
その二人がやおら
「Excuse me!」
と声を掛けてきた。
(え、私?)
聞くところによると、二人は我が県誇る温泉観光地に行きたいがどの電車に乗ったらいいか分からないらしかった。
そのくらいなら案内できる。
「It's Platform 3.」
安心するも束の間、二人は更に何事か私に問いかけてくる。
私の知らない単語?
訛りがあるのかな?
いつも耳にするイントネーションじゃない…気がする?
落ち着いて聞けば分かりそうだけど、なにせ今は私も遅刻寸前。
分からないとなると余計焦ってしまい、ますます聞き取れなくなる。
「Pardon me?」
何度か聞き返すもちっとも分からない。
どっ、どうしよう…
(急がなきゃ…)
私は自然のまま伸ばしただけの濃色の長い髪をなびかせて駅のホームを疾走し、階段を駆け上がった。
今日は春期講習に通っている塾の模試。
それに遅刻しそうなのだ。
理由は朝から母と進路のことで喧嘩になったから。
塾は電車で二駅のところにある。
その駅はこの辺りでは比較的大きなターミナル駅で、春休みということもあり朝から混雑していた。
人波をぬいながらコンコースを急ぐ。
そんな状況にもかかわらず…
私の正面に現れたのは大きなキャリーバッグの外国人観光客二人組。
その二人がやおら
「Excuse me!」
と声を掛けてきた。
(え、私?)
聞くところによると、二人は我が県誇る温泉観光地に行きたいがどの電車に乗ったらいいか分からないらしかった。
そのくらいなら案内できる。
「It's Platform 3.」
安心するも束の間、二人は更に何事か私に問いかけてくる。
私の知らない単語?
訛りがあるのかな?
いつも耳にするイントネーションじゃない…気がする?
落ち着いて聞けば分かりそうだけど、なにせ今は私も遅刻寸前。
分からないとなると余計焦ってしまい、ますます聞き取れなくなる。
「Pardon me?」
何度か聞き返すもちっとも分からない。
どっ、どうしよう…