星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
12月~聖夜のデート
12月24日。今日はクリスマスイブ。
曇り空の合間に覗く陽が少しずつ傾き始めた午後の街をひとり歩く。
(出掛けるのちょっと早すぎたかな?)
そう思いながらもどんどん足早になる。
(しょうがないよね、待ち切れなかったんだもん)
今日は先生とイルミネーションに行く。
(これって初デート、だよね?)
胸が弾み、思わず頬が緩む。
「家まで迎えに行く」と言う先生に丁重に断り、駅の向こうの公園で待ち合わせになった。
アリバイ工作の都合上家から駅までは兄と一緒だったけれど、それも、「公園で先生に会うまで付いていく」と言う兄を押し留め、さっき駅で別れたところ。
兄は大学の友達の家で時間を潰して、また夜10時に駅で落ち合うことになっている。
本当はこんなアリバイ工作しなくて済むのがスマートなのだけど、先生と行く以上仕方がない。
右手に公園が見えてきた。
広場の大きな時計は待ち合わせ時間より20分も早い時間を指している。
にもかかわらず、息は切れている。
(ちょっと落ち着こう。メイクも落ちちゃう…)
首に巻いた先生からのプレゼントの白いマフラーを少し緩める。
珍しくちょっと丁寧にメイクしてみた。それにお気に入りのオードトワレ。
汗をかいたら台無しだ。
歩速を緩めて、公園の対面の歩道を進む。
と、メタリックブルーの車が私の横を追い越し、数メートル先で停まった。
それを通り過ぎようとすると、すっと助手席の窓が開く。
「お嬢さん、ひとり?だったら俺とデートしない?」
「!!」
曇り空の合間に覗く陽が少しずつ傾き始めた午後の街をひとり歩く。
(出掛けるのちょっと早すぎたかな?)
そう思いながらもどんどん足早になる。
(しょうがないよね、待ち切れなかったんだもん)
今日は先生とイルミネーションに行く。
(これって初デート、だよね?)
胸が弾み、思わず頬が緩む。
「家まで迎えに行く」と言う先生に丁重に断り、駅の向こうの公園で待ち合わせになった。
アリバイ工作の都合上家から駅までは兄と一緒だったけれど、それも、「公園で先生に会うまで付いていく」と言う兄を押し留め、さっき駅で別れたところ。
兄は大学の友達の家で時間を潰して、また夜10時に駅で落ち合うことになっている。
本当はこんなアリバイ工作しなくて済むのがスマートなのだけど、先生と行く以上仕方がない。
右手に公園が見えてきた。
広場の大きな時計は待ち合わせ時間より20分も早い時間を指している。
にもかかわらず、息は切れている。
(ちょっと落ち着こう。メイクも落ちちゃう…)
首に巻いた先生からのプレゼントの白いマフラーを少し緩める。
珍しくちょっと丁寧にメイクしてみた。それにお気に入りのオードトワレ。
汗をかいたら台無しだ。
歩速を緩めて、公園の対面の歩道を進む。
と、メタリックブルーの車が私の横を追い越し、数メートル先で停まった。
それを通り過ぎようとすると、すっと助手席の窓が開く。
「お嬢さん、ひとり?だったら俺とデートしない?」
「!!」