星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」

「え?何?私に?」

「うん」


 おずおずと伸ばした私の手にそれを乗せてくれる。

 包みと先生を交互に見ると、先生が手で「どうぞ」と示す。
 遠慮なく包みを開ける。

 と、それは─


「わ…」


 深い紺碧色の小さな石が付いた細い金の指環だった。

 小さいけれど、まるで宇宙のような、吸い込まれるほどに深い青。


「綺麗…」

「貸して」


 先生は私から指環を取ると、反対の手で私の左手を取った。


「俺に着けさせて」


 薬指にするりと指環を嵌める。
 少しタイトながらもそれは指に収まった。



「この石にはね、『永遠の誓い』って意味があるらしい。

 南条、俺はね、春になったらお前を迎えに行くし、その後もずっと傍にいるよ。
 南条さえ良ければ、永遠に離すつもりないんだ。約束するよ。

 だから、どうか俺を信じて、不安にならないでいて?」


「!!」



 それから先生は少し照れたようにふっと笑って、

「良かった。南条細いから大丈夫とは思ったけど、サイズ分かんないから店で迷ったんだ」

と言った。


 笑う先生に対して私は涙が溢れてしまって。

 駄目だと思うのにそれはもう止められなくて。


「何泣いてるの?」

「嬉し…くて…」


 先生はくすっと笑い、指の背で私の目尻を拭う。


「信じて、待っててくれる?」

「…はい」


 先生は私の肩に腕を回し抱き寄せる。
 先生の胸の中は暖かくて、安心する。


(信じてるよ。
 だから私も先生に迎えに来てもらえるように頑張る─)

           *
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