星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
3月~冬の終わり
(どうしよう…)
さっきからそればっかりが頭の中を巡る。
答えは出ない。
(どうしよう…)
*
「行ってきます」
朝7時頃に家を出て駅に向かった。いつも学校に行く時と同じ道をいつもと同じように歩く。
そう。通い慣れた道だったはずなんだ。
なのに─
少し大きな通りの歩道をもうすぐ駅が見える辺りまで来て左に入る脇道を横切っていた時、
キィィィィィーッ!!
「!!」
間近にブレーキ音を聞いた。
後ろから来た車が減速せずに脇道へと左折してきたようだった。振り向いた時は既に時遅く─
右脚から腰に痛みを感じた次の瞬間、私は地面に倒れ込んだ。
(痛…!)
咄嗟に頭だけは庇ったけれど、容赦なく叩きつけられた左半身に電気が走るような衝撃と共に激しい痛みを受ける。突然のことにしばらくは左肩と腕、背中や膝の激痛と、次第にアスファルトから全身にじわじわと伝わる凍るような冷たさを感じるだけで、ただ呆然とする。
遠くでバタバタと音がして、「大丈夫ですか!?」と誰かの声がした。
あ…ぁ、こんなところで寝転がってる場合じゃない。国大に行かなきゃ。
ようやく頭が働き出す。