星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
 昨日先生に


「明日俺と図書館行かないか?」


と誘われた。

 先生は、私の興味のあることを知るためにもっといろんな資料を見てみよう、と言った。


 至極まっとうな意見。


 だけど…


(それってちょっと、デート…みたいじゃない!?)


 デートだと思っちゃってもいいかな?
 勝手に思ってるだけなら、いいよね?

 私はそんなことを考えながら一人で勝手に舞い上がる。


(最近の私、なんか発想が乙女チック過ぎる…)


 駅の裏改札に9時、という約束をして別れると、私は教室には戻らずそのまま学校を出た。

 だって好きな人にデートに誘われたら、いや、厳密にはデートではないけれど、でも、勉強なんて手に付くわけない。


 私は珍しく日の高いうちに自宅へ帰り、数時間かけてクローゼットから白いワンピースを選んだ。

 お気に入りの、白いコットンレースのワンピース。

 それから、念入りにシャンプーとトリートメントし、ベッドに潜ってドキドキでなかなか寝付けない中眠りに付き、今に至る、というわけで。

        *
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