星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
「失礼します」
職員室に入り村田の席に行く。
村田は私の顔を見ると眉間に皺を寄せ、溜め息を吐いて立ち上がり、
「来なさい」
と先に立って職員室を出た。
いよいよ何だか分からない。
連れて行かれた先は応接室。
「ここで待っていなさい」
村田が無機質な声で言い、私を部屋に残して再び出ていった。
(なんなのよ…)
村田の態度にちょっといらっとする。
程なく村田が戻ってくると、一緒に来たのは学年主任の岩瀬と年配の体育教師で生徒指導のヤマセンこと山本先生、それに…
(え…?)
初原先生だった─
(なんで…?)
いつになく神妙な顔の先生と眼が合う。
先生は眉根を寄せて、声に出さず唇の動きだけで
(ごめん…)
と言ったのが分かった。
(どういう、こと…?)
「座りなさい」
私は岩瀬に着席を促される。
奥の長椅子に岩瀬とヤマセン、テーブルを挟んだ向かいに私と村田、そしてテーブルのサイドの椅子に先生が座る。