星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
翌日の放課後。
揺花に先に帰ってもらい、私は図書室で自習していた。
自習と言ってもただの時間潰し。
5時を回って生徒が疎らになると私は静かに図書室を出る。
人目を避けるように向かう先は
英語準備室。
一度そのドアの前を通り抜け、直ぐの非常階段からこっそり様子を窺う。
電気は点いているけれども話し声などはしない。
中にいる人は多分一人。
だとするときっと…
(先生だ…)
「はぁー…」
深い深呼吸ひとつしてドアをノックする。
コンコン…
「失礼します」
引き戸を開けるとそこには
はたして先生がいた。
「南条…!」
パソコンの画面から顔を上げた先生と眼が合うと、先生は心底驚いた顔をした。
「何しに来た…?」
「先生に逢いに来たの」
私は何事もなかったように笑って見せる。
「帰りなさい、岩瀬先生に見つかったらどうするんだ」
「私は別に構わないよ」
「……」
先生は私から眼を逸らす。そして少しの間の後、溜め息混じりに言った。
「…俺は困るよ」
分かってるよ、困らせてるって。
でも…
揺花に先に帰ってもらい、私は図書室で自習していた。
自習と言ってもただの時間潰し。
5時を回って生徒が疎らになると私は静かに図書室を出る。
人目を避けるように向かう先は
英語準備室。
一度そのドアの前を通り抜け、直ぐの非常階段からこっそり様子を窺う。
電気は点いているけれども話し声などはしない。
中にいる人は多分一人。
だとするときっと…
(先生だ…)
「はぁー…」
深い深呼吸ひとつしてドアをノックする。
コンコン…
「失礼します」
引き戸を開けるとそこには
はたして先生がいた。
「南条…!」
パソコンの画面から顔を上げた先生と眼が合うと、先生は心底驚いた顔をした。
「何しに来た…?」
「先生に逢いに来たの」
私は何事もなかったように笑って見せる。
「帰りなさい、岩瀬先生に見つかったらどうするんだ」
「私は別に構わないよ」
「……」
先生は私から眼を逸らす。そして少しの間の後、溜め息混じりに言った。
「…俺は困るよ」
分かってるよ、困らせてるって。
でも…