星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
かくん…
どのくらい時間が経ったろう。
私はカップを持ったままうたた寝しかけていたみたいで、頭が落ちる感覚にはっとした。
「眠いんだろう?少し寝るか?」
そう言って先生が私の手からカップを取る。
「イヤ。帰らない」
「ここで寝て良いから」
先生がベッドをぽんぽんと叩く。
「先生と一緒に寝る」
「は?」
「先生と一緒に寝る」
「いや、俺はいいから。お前がここ使って」
「や。一緒がいい」
「いや…え、と…」
先生は困ったように眉間に皺を寄せて額に手を当てる。
「お前…
煽ってんの?」
「うん…」
私は少し寝惚けてなんだかよく分からないままなんとなく頷いた。
先生は溜め息を吐いて立ち上かる。そしてベッドに掛けられた布団を捲った。
それから私を抱き上げて、ベッドの上に寝かせる。
「先生、傍に居て」
「分かってる」
先生は私に布団を掛けると両手で私の手を握り、ベッドの縁に座ってすらりとしたジーンズの脚を組んだ。
「ここに居るから」
「こっち来て?もっと傍が良い」
「…我が儘言うな」
「じゃあ、ずっと傍に居てね?」
「分かってる」
「私の傍に居てね?」
「あぁ」
「ひとりに、しないでね…」
そのまま私の意識は気だるく遠ざかる。
「おやすみ…舞奈」
耳元で甘く優しい声がして、頬に何か温かで柔らかな感触を感じたのと同時に私は眠りに落ちた。
* * *