星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」

『舞奈ちゃんへ。

 思い付くままに書きます。長くなってしまうかもしれないけどごめんなさいね。


 舞奈ちゃんが帰った後、昴から舞奈ちゃんのこといろいろ聞きました。

 優秀で勉強を頑張ってること。
 昴の話で夢を持てたこと。
 外大受験のために御両親を説得したこと。

 それから昴の話と口振りから、舞奈ちゃんが優しくて可愛い子だということもよく分かりました。


 是非舞奈ちゃんみたいな、ちゃんと頑張ってる子と一緒に勉強したいと思ったから、受験頑張って外大に来てくださいね。
 昴が兄なら、私のことも姉だと思って、何でも頼ってくれて良いです。


 それと。

 舞奈ちゃん、実は昴のこと好きでしょ?
 それと、私と昴のこと、誤解したよね?

 見てて分かった。


 昴と私は『同志』なんだ。

 同じ学問を志した同志。


 昴と私は大学に入学してすぐに出会ったの。

 正直、昴はあの顔だし、あの性格だし、10代の頃は昴のこと、異性として意識したこともあった。

 でも昴と私は、海外育ちだったり、論理的に考えるのが好きだったり、似たとこも多くて、むしろ男女の差とか気にならないくらい近い存在になっていたの。

 友達とか、親友とか、ましてや恋人とか、そんなんじゃなくて、『同志』。

 卒業した今もそうだし、これからもそうだと思ってる。

 きっと昴もそう。

 どうかな?あいつは私のことただの元級友くらいにしか思ってなかったりして?


 とにかく、だから舞奈ちゃんの心配には及びません。


 それと、余談だけど、昴は今彼女いないらしいから。

 それに舞奈ちゃんのことは


 その辺は直接昴に聞いて。卒業してから。
 やっぱり大事な同志の首が飛ぶのは心配だわ。


 それから、受験の前日の件。
 泊まりに来てくれるのはwelcomeなんだけど、ごめんね、私持病があって、その時体調がどうか分からないんだ。

 もし元気でいれば是非来て。
 舞奈ちゃんに会いたいし、役に立てたら嬉しいから。


 それともう一つごめん。
 持病の件は昴には黙ってて。
 あいつ、心配症なとこあるから面倒。


 これから寒くなるから暖かくして過ごしてね。
 会える日を待ってます。


See you soon. Good luck !

Yoriko Ichikawa


追記

Add.  yorikoxxx……@……
Tel.   090-xxx-xxx 』
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