キミになりたい。
「私がタコちゃんするから、慧がしらすさんするの。
ね!いいでしょ!?」

ノリノリの陽菜に対し、河野は困った表情を浮かべた。

「タコしらすなんてすぐ飽きるだろ。卒業動画なんてこの先ずっと残るものなんだから、辞めておいた方がいい」

「えー!いいじゃん、タコしらす。ね、ののちゃん」

「私、あんまりそういうのわかんないから」

私の返答に、陽菜がちょっと不満げな表情になったのが分かった。

陽菜は本当に素直だ。

嬉しいのも、悲しいのも、気に入らないのも、すぐにわかっちゃう。

「ほらね、やっぱりみんなが分かるやつにしないと」

河野の言葉に、余計陽菜の顔が曇った。
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