キミになりたい。
河野と話したあとはなんだかホッコリする。

やっぱり好きなんだなって思う。

「お前ら仲良いよな」

隣に座る瀬戸が、前を見たまま言う。

「でしょ」

「はて、いつまで続くかな」

「はー!?」

瀬戸は鼻でフンと笑った。

今わからない、なんで瀬戸にそんなこと言われなきゃいけないの。

何か言い返そうと思ったとき、前に座る女子が振り返った。

朱莉ちゃんだ。

でも、朱莉ちゃんの視線の先は私ではなく瀬戸だ。

「昴、昨日のハンバーガー代ちゃんと返してよね」

2人にしかわからないであろう話題に、私はそっぽを向きながらみみを傾けた。

「あー、今日パフェでも奢るから勘弁しろ」

「言ったな?じゃあ、新しくできたとこにする!」

「上限500円な」

「は?安すぎ」
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