キミになりたい。
ドクン、と胸が鳴る。

「私やる!!」

元気良く手を挙げてニコッと微笑んだ。

確実に私に向けて。

さっきまではみんなと一緒に知らんぷりを
していたくせに。

「ありがとう、高島さん。後、1人…」

陽菜が手を挙げたことによって、
教室の空気が少し軽くなる。

「暇そうなので、瀬戸くんがいいと思いまーす」

1人の男子が笑いながら言う。

「は?無理」

「だってお前絶対暇だろ。毎日遊んでんじゃん」

「瀬戸、お願いしてもいいか?」

河野が申し訳なさそうに手を合わせると、
瀬戸は仕方なさそうに頷いた。

「じゃあ、卒業記念委員は河野、松田、高島、
瀬戸の4人に決まりました。これから卒業まで
精一杯務めさせていただきます。」

そう言って、ようやく私は席に戻る。
ふぅ、とため息が出た。
やっぱり人前で喋るのは苦手だ。

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