向日葵だけが知っている
今回の舞台が終わったら、中村先輩に告白する。

光希先輩には言ってないのに…。勘が鋭すぎでしょ。
そう思いながらも私は返事した。
「でも…劇団春花の説明は…」
「私でもいいでしょ。」

確かに…思えば光希先輩でもいいんだ。
私は頷いた。

「じゃあ、行ってきます。」
「…いってらっしゃい。」

返事をする光希先輩の顔が浮かなかったのは、私の気のせいだろうか…
…………
「中村先輩!」
私の声に、中村先輩が振り向いた。

「あの、話をしたいので、少しいいですか?」
「うん。いいよ。」
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