向日葵だけが知っている
病院を出た私の目に映る景色は、モノクロで。
何にも考えたくなかった。

…なんで私なの?
…どうして今なの?
…私、これからどうしたらいいの?

あれかな。縁起でもないことを考えなかったらよかったのか。
まあ…もう遅いけど。

そのとき、ピロンピロピロピロンと携帯が鳴った。
「直樹だ。」
きっと、デートのことかな。…でも、今は話したくない。直樹みたいな夢がある人とは話したくない。

…最低だな、私。
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