向日葵だけが知っている
一番聞かれたくなかった。ひまりには…。

一番笑っていて欲しかったから。

「ねえ、お姉ちゃん。もう陸上できないの?何でそんなに笑顔なの?悲しくないの?」
ひまりの怒ったような、悲しそうな声は私の傷口をえぐっていった。

…やめてよ。言わないで!うるさい。うるさい!

「もう、黙って!ひまりにはわからないでしょ!」
「へ…」

気が付いたらそう叫んでいた。

…何でこんなこと言っちゃったんだろう。
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