向日葵だけが知っている
「そうだよ!もう陸上はできないよ。何で笑顔なんて…わかったように言わないで!」

もう…止まらなかった。

ひまりは静かに肩を震わせていた。
…泣いてる?

私が声をかけようとしたその時だった。
「お姉ちゃんだって、私のこと…知らないでしょ!お姉ちゃんにわかるわけない。だって…何でもできるもんね。いいよね。何でもできて!」

ひまりは叫んだ。
泣きながら。

「私だって、たくさん苦しい思いをしてるんだよ。何でもできるわけではないのに…。」
「たくさん?私のコンプレックスを知らないでしょ?」
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