向日葵だけが知っている
「じゃあ、帰るね。」
直樹が家を出て曲がり角を曲がろうとしたとき、私はもうひとつ言わなきゃいけないことを思い出した。

「直樹!私ねスポーツメーカー会社員になるから!」

大声で叫んだ。
私は陸上はできないけど、スポーツメーカー会社員として、陸上を支える。
そういう人になりたい。

直樹は笑顔で手を振って曲がっていった。

ポロ。

その瞬間私の目から何かがこぼれた。
…あれ?

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