ツンデレな後輩なんて99.9%好きにならないから!
「もう!なんなよ!アイツ!」
あたしが、むくれながら言うと
「悪いやつではないんですよ。多目に見てやってください。」
なんて、雪代くんは眉を下げて困ったように言う。
実は、広瀬と雪代くんは幼馴染みであり、あまり人を寄せ付けない広瀬だが、
よく雪代くんとは一緒にいるところを見かける。
「アイツ、実は優しいところあるんですよ。
今も、観月先輩が大変そうだからタオル持っていってくれたし…。
さっきも、観月先輩が一人でタオル取りに行ったって聞いて、手伝いに行ったんだと思います。」
そう言って、にっこり雪代くんは諭すように微笑む。
「ほんとかなー?あたしには、優しさが感じられないけどな!」
「不器用なやつなんですよ!」
必死に、幼馴染みを庇うする雪代くんがかわいい。
まー、実際助かったし、雪代くんに免じて許してやろう!
「ほら!あたし達も行くよ! 早くしないと涼香に怒られる!」
「そうですね!」
あたしたちは、慌てて駆け出した。