先生はめんどくさがり。
休み時間になるたびに、女の子が啓太にチョコを渡しにくる。
こんなにモテてたっけ…
って、幼馴染みの私が思うほど。
「恋…」
「あ、わかった」
隣の席でそれに感心していると、ミヤちゃんが声をかけてきた。
「啓太」
「ん?」
「ミヤちゃんが話しあるんだって」
私がそう言うと、触っていた携帯から目線を外した。
そして少し顔を歪ませたあと、また元に戻る。
「わかった」
それからホームルームが終わって、放課後の教室にミヤちゃんと啓太は2人。
私は、教室の外に出て少し離れた階段に座っていた。
内容は聞こえないけど、誰もいないこの廊下に少し響くミヤちゃんの声。