先生はめんどくさがり。
そのあとすぐに聞こえてきた啓太の声。
…結果がすごく気になる。
「こんなとこで何してんの」
ミニスカと靴下の間から出ている足を擦りながら、ミヤちゃんを待っていると後ろから声が降ってきた。
顔なんか見なくてもわかる。
私の大好きな声だ。
「先生」
「チョコ作ってきたんじゃねーの?」
「あ、あります…けど…」
「けど、なに?」
「いや…なんてゆうか…」
私がここを離れれば、ミヤちゃんとの約束を破ってしまうことになる。
どうしよう。
どうすればいい?
「数学準備室いるわ」
「え?」
「5分しか待たねーからな」
そう言って降りてきた階段を引き返して行った先生。
やっぱり、先生は大人だ。
言わなくても、伝わることがたくさんある。