先生はめんどくさがり。


そのあとすぐに聞こえてきた啓太の声。


…結果がすごく気になる。





「こんなとこで何してんの」





ミニスカと靴下の間から出ている足を擦りながら、ミヤちゃんを待っていると後ろから声が降ってきた。



顔なんか見なくてもわかる。


私の大好きな声だ。





「先生」


「チョコ作ってきたんじゃねーの?」


「あ、あります…けど…」


「けど、なに?」


「いや…なんてゆうか…」





私がここを離れれば、ミヤちゃんとの約束を破ってしまうことになる。



どうしよう。


どうすればいい?





「数学準備室いるわ」


「え?」


「5分しか待たねーからな」





そう言って降りてきた階段を引き返して行った先生。



やっぱり、先生は大人だ。


言わなくても、伝わることがたくさんある。

< 110 / 284 >

この作品をシェア

pagetop