先生はめんどくさがり。
「でも、今なら俺から逃げるチャンスあげるよ」
「え?」
「前も言った通り、教師は辞めるし、親父が認めてくれる可能性はかなり低い」
抱きしめていた腕はとくけど、相変わらず先生との距離は近い。
真剣に向けてくる眼差しが、私を離すことはなく、ジッと絡み合う。
「お前の短い高校生活、無駄にするかもしれないよ」
「…いいよ。私は先生といる。無駄になんてなりません。だから…離さないで」
「俺、恋のそういうところが好き」
今日は先生が甘すぎて、虫歯になりそう。
だけどこんな一面は、私だけが知っていたい。
「先生!結婚しよ!」
「早ぇよ。クソガキ」
あぁ本当に…両思い、なんだ。