先生はめんどくさがり。
正直、マナミさんに後ろめたさしかない。
婚約者がいるって知りながら、先生と付き合えて浮かれてる私って、やっぱりダメなのかな。
とか思ったり。
「おかえり」
「…ただいま?」
さっきも会ったばかりなのに、こんなこと言ってくるからまたズルい。
いつまでも見ておける綺麗な顔に見惚れていると、今度はドアップでそれが映った。
ちゅっと小さくなったリップ音が、車の中に小さく響く。
「足りない?」
「いや、2人で会ってくれて嬉しいなって…思ったから」
「それはよかったね」
ほらまた、他人事みたいに。
甘くなったり冷たくなったり、忙しいの本当。