先生はめんどくさがり。


「それで、どこ行くんですか?」





車を走らせて、最初の信号で止まった時に聞いた。



スーツでビシッと決めている先生。


出張とかも多いから?





「両家の顔合わせ」





夢の世界から、いきなり現実に戻されて。


あー、聞かなきゃよかったって。


心臓が嫌な音を立てる。





「マナミさ…」


「お前も連れて行くから」





あ、私もね…





「え?!!」





先生の一言で、変わった信号。


また走り出す車に、次は別の意味で心臓が嫌な音を立てる。



それってつまり、先生のお母さんとお父さんに会うってことだよね…





「お前は俺の隣にいればいい。心配すんな」





怖いし、どうしていいかわからないけど、先生はそう言って私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。

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