先生はめんどくさがり。
「彼女と真剣にお付き合いしています」
フーッと息を吐いた後に聞こえてきた、そんな言葉。
この言葉が嬉しいのは、きっと私だけ。
「お前自分が何を言っているかわかっているのか。失礼極まりない」
「わかっています。こうすることが正しくないという事も全て。ですが、この場を借りて婚約解消をさせて下さい」
先生は、そう頭を下げた。
先生の言葉に、胸が熱くなる。
知らなかった。
ちゃんと私は、先生の未来にいたんだ。
「ふざけたことをぬかすな。お前に与えた期間は、女を漁り遊ぶ為では無い。これ以上失望させないでくれ」
そう言うと、先生のお父さんは私たちの横を静かに通り過ぎて、帰ってしまった。