先生はめんどくさがり。


「彼女と真剣にお付き合いしています」





フーッと息を吐いた後に聞こえてきた、そんな言葉。


この言葉が嬉しいのは、きっと私だけ。





「お前自分が何を言っているかわかっているのか。失礼極まりない」


「わかっています。こうすることが正しくないという事も全て。ですが、この場を借りて婚約解消をさせて下さい」





先生は、そう頭を下げた。



先生の言葉に、胸が熱くなる。


知らなかった。


ちゃんと私は、先生の未来にいたんだ。





「ふざけたことをぬかすな。お前に与えた期間は、女を漁り遊ぶ為では無い。これ以上失望させないでくれ」





そう言うと、先生のお父さんは私たちの横を静かに通り過ぎて、帰ってしまった。

< 184 / 284 >

この作品をシェア

pagetop