先生はめんどくさがり。
私の少しのわがままで、先生を苦しめて悲しませることになる。
「私…っ…」
先生にそこまでしてもらえる程、私はできた人間じゃない。
私のために頭を下げて、先生に涙を流させて…
私はそんな大きな人間じゃないよ…
「なに?諦める?」
「ちがっ…」
「もう遅えよ」
狭い車内の中。
先生に抱きしめられて、より近くに感じる温もり。
それと同時に、涙がドッと溢れた。
「逃げるチャンスを与えたのに、お前はここにいんだから」
「せんせ…」
「俺のこと好きなんだろ」
「っうん…大好きっ……」
「なら俺だけ信じとけ」