先生はめんどくさがり。
「…ごめんなさい。できないです」
声を振り絞った。
「恋ちゃん…」
「私は、先生が好きです。だから…ごめんなさい」
マナミさんの顔が、歪む。
苦しかった。
私と先生が想い合うことで、こんなにも身近に傷付く人がいる。
それでも、なにを言われても、先生を嫌いになれたことなんて無かった。
それからマナミさんとカフェを出ると、見慣れた人が、カフェの前に立っていた。
「マナミ」
「ジン…?」
そこには、ジン先生の姿。
「話したいことが…」
「私はないよ」
マナミさんは、そう言って冷たくジン先生の言葉を遮る。
「それに今さら何?」
「ごめん」