先生はめんどくさがり。
酔ってるから、本音なのか。
それとも酔っていないけど、本音なのか。
「ありがとう。パパ」
パパは最後の一口を飲むと、私の言った言葉にフッと笑った。
ママがいなくなって、私は正直心の底から笑ったことなんて一度もない。
いつも心にはママだけがいて、ママのことばかり考えてしまう。
ママは、そんなこと望んでないのにね。
「明日は弁当いいから」
「うん。わかった」
私はそれだけ言うと、洗い物を終わらせてお風呂を沸かしに向かった。
…やりたいこと、か。
恋愛とか友達とか、きっとそういうことだよね。
学生らしいことって。
そう言えば、ママも入院してた頃よく言ってたっけ…
名前に恋ってついてるんだから、華やかになりなさいって。
…って、恋したことないからわかんないけど。