先生はめんどくさがり。
『まあ、疲れてるっていうか忙しかった』
「…だよね。もうなるべく電話もしないようにする!会いたいって言わない!我慢するね!」
『へえ。我慢できんの?』
「無理だよ!でも先生の為なら頑張る!」
私ももう2ヶ月後には大学生になるんだ。
わがままも、もう言ってられなくなる。
『俺はできないよ』
「え?」
『俺は我慢できない』
そんなこと言われると、決心したばかりの私の心がグラグラ揺らぐ。
「あのね先生…今、数学準備室にいるの」
『ん…知ってるよ』
「え?」
そう言うと、ガラガラっと開いたドア。
窓の方を向いていた私は、体を反転させて扉を見た。