先生はめんどくさがり。


扉を開けたのは、私がずっと会いたかった人。


会いたくて…会いたくて会いたくて、どうにかなっちゃいそうになってた…





「せんせ…」





振り向けば、先生がいる。


涙は勝手に溢れて、私の頬を濡らした。





「電話しなかったのは、こうやって早く帰ってくる為に勉強しまくってたからなんだけど?」


「先生っ…」


「ただいま、恋」





そう言って両手を広げれば、私の大好きな笑顔で笑う。





「先生…っ…!!」





私が飛びついてもしっかり支えてくれる。





「おかえりなさいっ…ずっとずっと…ずうっと……会いたかった…」


「うん。知ってる」


「…返事の仕方が違うよ」


「はいはい。俺も…会いたかったよ」





久しぶりに見せてくれるその甘い囁きに、幸せが募った。

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