先生はめんどくさがり。


この部屋に先生がいる。


前まではそんなの当たり前だったのに、思い出に変わるこの場所にまた泣けてくる。





「本当にもう帰国したんですか?」


「そ。3日後に出勤」


「え……てことは…?」


「会社継ぐから、俺が社長だね」





社長…


その言葉に鳥肌が立った。





「すごいね!先生!」





そう言ってまた抱きつくと、笑ってくれる。


いつもならめんどくさいって、そう言うのに。





「あ、あと…聞きたいことがあって…その…電話の……女の人?」


「あぁ、うん」


「だ、誰?」


「…俺の秘書」





はあああ?!


って、叫びそうになったのを抑えた私は、良くできる子。

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