先生はめんどくさがり。



「…………とか言ってほしいわけ?」





一瞬でもドキドキした自分を殴りたい。





「もういい!わかりました!大丈夫ですぅ!」





ソファに座っていた腰を上げて立とうとしたら、先生が腕引っ張るから、私が先生を押し倒す形になる。


先生の心臓の音が、すごく速い。





「恋」


「ん…」


「…お前が1番好きだよ」





ズルい。


本当…ズルいよ。





「せんせ…」


「恋は?」


「え…?」


「俺のこと好きなの?」





わかってるくせに。


なのに言わせようとする先生の、そんなところも全部含めて…





「世界でいっちばん大好き!」





そう言って触れるだけのキスをした。


チュっとリップ音を立てて離れる唇に、熱を帯びる。

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