先生はめんどくさがり。


私の髪をすくい上げると、ニタっと気持ち悪い笑みを浮かべた。



無理…!


本当に無理!


気持ち悪すぎる、無理すぎるよ…!!





「恋」





少し目に涙が溜まっていた時、大好きな声が聞こえた。


後ろを振り返ると、フワっと大好きな匂いに包まれる。





「なに?その手」





固まったままの林の手を見て、先生は冷たくそう言った。





「誰に許可あってこいつに触れてんの」





私の腰に回る手が、また先生に引き寄せられた。



先生は怒ってる。


確実に。



そのあとは、何も言わずに私の手を引いて店を後にした。




車の中は、音楽も何もかかってなくてエンジンの音だけが虚しく響く。


先生に話しかけられる雰囲気でもない。



女子会だって嘘ついて、合コンに行ったって思われてるよね…

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