先生はめんどくさがり。
「はあー…」
情け無い先輩を見届けた後、足の力が抜けてため息と一緒にその場に倒れこむ。
「生意気に挑発してんじゃねーよ」
「だって…」
「来れば?」
「…え?」
先生の言葉に私はまだ話しているのに、それを遮断して両手を広げてこっちを見る。
「でも、びしょびしょだから…」
「いいから早くしろよ」
そう言われて先生に抱きつけば、どこか温かくて泣いてしまいそうだった。
「本当は弱っちいくせに」
顔は見えない。
私の頭の上にある、先生の口からそんな言葉が聞こえた。
…先生、私のこと少しでも見てくれてるのかな。
「でもよく頑張ったな」
「え…」
「水かけられたのは笑ったけど」