先生はめんどくさがり。
そう言われてビクッとした私の横からは、フッと小さな笑い声が聞こえた。
…絶対楽しんでる。
悪趣味だ…
それからも手だけに意識がいって、委員長の話すことなんて全く耳に入ってこない。
結局、最後まで繋がれていた手。
もう離れて数分たっているのに、まだ熱い。
「恋ー。帰んぞー」
扉のところで啓太が私に声をかけるけど、私はまだ動けないでいる。
帰らなきゃ。
それはわかっているのに。
「本当に熱でもあんの?」
扉のところにもたれていた啓太は、いつのまにか私の前まで来ていて。
おでこにソッと手を当てた。
「全くないじゃん」
「私、平熱低いの」