先生はめんどくさがり。
先生の口が開くまでの数秒が、とても長い。
そして…
「うん。お似合いだと思うよ」
刃物で切り裂かれたように痛む胸。
…恋って、楽しいことばかりじゃないね。
両想いになるって、難しいんだね。
先生の言葉を聞くと、ここにいられなくなって今度こそ待つ約束した啓太を置いてまた逃げた。
私は何も思われていない。
ガキには興味ないって、そうハッキリ言われたじゃない。
高校生の私は、女として見てくれていないんだよ。
…なのに。
なのに、あんなキスするから…
もっと好きになれって言われてるみたいだったのに。
その言葉に答えるように、私は先生をどんどん好きになっていくのに。
自分の中だけじゃ、治らないほど好きになっているのに。